「営業の赤本」 著者 ジェフリー・ギトマー


営業の赤本 売り続けるための12.5原則

アメリカ人で営業の多大な実績を残している人が書いた、成功するための営業の12.5の原則を書いたもの。表紙は真っ赤であり、本文中の大切なところも赤字で書いてある。まさに赤本というように大学時代に活用した参考書のような、社会人にとっての参考書。


日本とアメリカの文化の違いは感じるので、そのまま実施するのは日本だとやや厳しいかな、という法則もあるが(例えば、飛行機で隣に座った人は必ずお友達になろうと話しかけてあわよくばビジネスにしてしまうなど・・・w)、基本的に面白いし、営業に関わらず社会人に役に立つと思う。また自分のように、マーケティング関係(セミナーや事例コンテンツなど)を手がける業務も営業には必ず必要なんだ、ということも書いてあって自分の立場も営業をサポートしていく上で必要なんだ、と改めて自信を持つことが出来た。


営業にとって大切なことを書いてあったが、「ポジティブに、自分が出来ると信じる!」ということが本当に大切だと思う。たしかに弱気なおどおどしている営業からは物を買いたい、と思わないし、自分のモチベーションを上げないことには仕事や勉強に支障をきたすわけだから何より多少自惚れと見られてしまうかもしれないけど自分に自信を持つことは重要だと感じた。

あと、しっかり準備をすること。事前に情報をWebサイトや雑誌など様々な媒体を活用して情報を仕入れる。そしてきちんとした質問を用意する。この質問力が商談成功のカギを握っていることは間違いない。そしてお客様に教えるのではなく、お客様は疑問点や悩んでいることに対して営業に「答え」を教えてもらいたい。そして適切な答えを持ってきてくれた営業から物を買おうと「思う」。なのでしっかり準備をして、お客様に答えを示し、満足してもらって、仲良くなって、そして初めて売れる。
だから営業は基本的にお客様と「お友達」にならないといけないそうだ。正直ビジネスにおいてなかなか難しいことだが、確かに友達とまでは行かないけど遠慮なく話すことが出来るお客様やパートナーとは親密な深い話が出来るのは事実であるから、その発想はあっているのだろうな、とは思う。

情報収集については、直接相手先に電話するのではなく、セミナー(自社開催や業界団体開催など)に積極的に参加してそこで名刺交換などして交流を持ったり、企業情報については相手先の営業などとコンタクトを取ればいい情報を仕入れることが出来る、と書いてあった。情報システムを売る側にとって、相手企業の営業と何を話せばよいのかは正直分からないのだが、確かに営業は情報収集の大切さをいやと言うほど分かっているだろうから確かな価値を提供出来ればいろいろと教えてくれそうな気はする。


マーケティング系としては、営業の人そのものをアピールするための講演会、つまりセミナーを随時開催しろ、と書いてあった。まず基本的に相手に価値を与えることが大切。価値を与え続けるからこそ「結果的に」相手からもらうものがある。Give&TakeのTakeを決して先に求めてはいけない。だから電話勧誘とかだと先に価値を与えることは難しいが、セミナーであれば複数の人にノウハウ提供などが出来る。しかもお客様が自発的に申し込みをしてくれるわけであるし。またいっぺんに営業をやっている自分をアピール出来るわけだから、実はセミナーの講師はコンサルやSEではなく営業がやるのが一番よいのかもしれない、と思った。

またクロージングにおいては事例がかなり有効だと書いてあった。お客様の言葉が一番説得力がある。なので大事なプレゼンの時とかで積極的にお客様の声(紙でもよいがビデオが一番)を活用するべきだ、とあった。事例つくりやそれの映像作りもしっかりやって活用してもらえれば確かにかなり営業に貢献出来る気がする。


などなど、いかにもアメリカ人的な発想ではあるのだが、営業としても社会人としても役に立つ1冊だと思う。後は本書にもしつこいくらい書いてあったけど、「実践」なんですよね・・・。一番苦手な部分・・・。