「クリエイティビティーのある人生を」 講師 千住明

<夕学五十講>
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作曲家千住明氏の講演。プロの作曲家から見て音楽とは、作曲とは、発想とは、などなどご自身の作品を使いながら様々な考えを講演されていた。

今回は難しかった。音楽は学問だという事が改めて認識された。音楽は感性や感覚で作成する、というイメージが強かったが、しっかり研究して理論的に作曲することで次々と新しい物を生み出していく。西洋音楽の基本「ドレミファソラシド」も時代によってハーモニーなどが異なる。そこも理論的に解決していくために、大量の曲を作りながらも発想の枯渇や類似したものを作らないそうだ。

それでいながら、理論的な作り方をしながらも「音楽は心が心に語りかける言葉」という信念で感情に訴える曲作りをしていく。他の作曲家は理論で作曲する人が多いが、あえて人と違う道を行くというのがすごいと思う。講演の中では家族全体でお互いに「人と異なる事をやる」という教えみたいなのがあるみたいなので、そこで育ったからだろう、とご自身もおっしゃっていた。
例えば「人のいない、もしくは空いている電車に乗りなさい。そして人が乗ってきたら乗り換えなさい。」という父親の言葉を話されていた。人の注目していない分野に行け!また得た地位などを決して守りに入ってはいけず、常に新しいことに挑戦しよう、というニュアンス。

講演の中で何回も「自分の曲を作る!」ということをおっしゃっていた。人と違う、いわゆるオンリーワンである、という自信が感じられる。そしてオンリーワンになるためには、人が感じない物にも感情のアンテナを張り巡らしたり、音楽の分野であれば学問や全ての作曲家の曲を勉強しなければいけない(でないと知らないうちに盗作してしまう可能性がある。)など、すごく努力するからこそなりうるもの。

千住明氏がおっしゃっていた方程式

○結果=才能×努力

・・・才能ある人でも努力している人は必ず台頭してくるし、いくら才能があっても努力しなければいずれは沈んでいく。


努力が大事、しかも自分自身で努力してきた、という認識があるからこそ自分に自信が出てくるのだろう。「自分にしかない良さは自分の育った環境に必ずある」とおっしゃっていたが、自分しかない良さを見つけ出し、それを磨いていくのは非常に難しい。でもそれが出来ればきっと良い意味で精神的に余裕を持てた人生を送れるのだと思う。


「人間、学ぼうと思えばどんな事からも学べる」

そしてある分野で熱中したものを持てばプロになれる。逆に言えば持たないとプロとは言われない。
でも熱中出来る物を持てるというのは素晴らしい。千住明氏も、プロとしてのきつさ辛さはあるとはおっしゃっていたが、非常に充実されている感じが節々から伝わってきた。

自分もそういう人になれるように、人からプロだと言われるような努力をしていかなくてはいけないな。