「ついていったら、こうなった―キャッチセールス潜入ルポ」 著者 多田 文明


ついていったら、こうなった―キャッチセールス潜入ルポ


キャッチセールス評論家を名乗る多田さんが、世間で様々に行われているキャッチセールスを体験し、そのレポートをまとめる、という企画で書かれた本。


巷でよくある「手相の勉強をしています。」とか、「寄付を募集しています。」とか、頭が良くなるアクセサリーの広告とかって一体なんだろう?って疑問に思ったことは少なからずあるのではないだろうか?著者は勇敢にも積極的に勧誘され、交渉をしたり深みにはまっていくとどうなっていくのか、ということを体験しに行っている。何度高額の契約を結ばれそうになったことか、ということが書かれている。
書かれ方が個人の責任で突入していったっぽいこと書いてあるので、本当に勇気あるな〜と感心した。さすがに怖いっしょ!?まあ実際は本を書くことを前提としているのだろうからある程度のバックアップはあっただろうが。


でも世の中は怖いね。でもキャッチの手法を考える人もすごいかも。これだけ怪しいってわかっているにも拘らず一向になくならないのは、ある意味ビジネスとして成り立っているからかと思う。人の弱み、苦手としているところをがっちりつかみにかかってくる手法も本書でいくつか書かれている。なるほど、こういうやり取りをするとこういう心理になっちゃうんだ、ってのが良くわかった。

もっと早く読むチャンスがあれば良かったよ。かくいう自分も昔似たようなことで騙されたっていうか厳しい目にあったこともあるんで・・・。今振り返るとなんで即決しちゃったんだろう、とか思ってヘコむときがあるし・・・(TT)。


Amazonのレビューにもある通り、もう少し深い所まで潜っていって、どういう風にキャッチが回っていっているのか、騙されている人はどうなったか、っていうレポートがあるとより深みがあるとは思う。でもAmazonレビューではそれで批判している人もいるけど、潜入はかなりの組織的なバックアップがないと危険すぎるから、それで批判するのは正直可哀想だと思う。よく書かれていた方だとは思うよ。


評価6.5(サッカー風で言う10点満点 平均点6点)