「グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する」 著者 佐々木 俊尚
Googleに焦点をあて、いかにGoogleがここまで強くなり評判になってきたのか、そしてどのように収益を得ているのか、そして今後どのように世界が変わってくるのか、Googleの良い面と悪い面に光をあてたGoogle本。
最近のGoogleに対する注目度の高さはすごいものがある。ザ・サーチやWeb進化論などでも取り上げられていた。このWebの世界での代表的かつ象徴的企業であることを表していると思う。しかも概して皆Googleは今後もスゴイ発展をしていくし、業界構造を根本的に変えていく可能性が高い、というスタンスを取っている。
確かに何かを探すときは必ずと知っていいほどGoogleの検索エンジンを使う。Yahooも使うこともあるが、Yahooの検索エンジン技術もGoogleが提供しているようなので、実質Google。もしGoogleがなかったらと思うと確かに不便すぎるね。
また広告としてアドワーズやアドセンスを事例に取り上げている。特にアドワーズやOvertureなどのキーワード広告ではいかに零細企業にとってビジネスチャンスが生まれてきたのか、ということを事例として乗っけている。今まで資本力がないと適切な対象あてに情報発信が出来なかった頃から考えると雲泥の違い。
でも仕事でキーワード広告を同じ部署内で使っているが、これほどの影響力はまだ感じない。すぐ注文して発注、というビジネススタイルではないから当然といえば当然だとは思うが・・・。
本の後半が刺激的。Webの情報がGoogleを介さないとなかなかヒットすることが難しくなってきた中、Google八分の話だったり、中国検閲受け入れだったり、海外の軍事施設などは移るけど、アメリカの軍事施設などはぼかされているGoogleマップだったり、と巨大な影響力を持つことによって、負の面も浮き彫りになってきた、という内容。
数多くのWeb情報をデータベース化しているが、その情報へアクセスする最大の手段がGoogleによる検索になる。なので、やろうと思えばGoogleは大量の情報を見せる見せないなどのコントロールを出来ることになる。(現に中国検閲はそう。)
かなりの価値を持つことになった情報の取り扱い方法を決めることが出来るGoogleが神になる、みたいな刺激的な言葉もあった。純粋な子供みたいな心を持つテクノロジー企業であるがゆえに、技術力を使った様々な影響が世の中に出ると思う。
実際にWebの世界を重視しているものにとっては重要で、Googleに対する期待と恐れが沸いてきた。リアルな世界ではどれほど影響を与えるかは、まだわからない。多くの一般の人にとってはいまいち本書で描いている事でそれほど影響を与えるものとは思わないだろうが・・・。
今後もしばらくはGoogleに目が離せない展開が続くだろう。
評価 7.0(サッカー風で言う10点満点 平均点6点)
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