「ダ・ヴィンチ・コード」 著者 ダン・ブラウン


ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)


ルーブル美術館で殺人事件が起きたが、その背後には教会と秘密結社・キリスト教の信じられている点と、その内実。それを数々の暗号と美術品を使って解読して秘密に迫る、という内容の小説。


現実世界を舞台にしているため、どこまで本当でどこまでがファンタジーなのか、区別がつきにくいのだが・・・。小説として結構面白い内容だった。

聖杯の話であったり、マグダラのマリアの話であったり、ダ・ヴィンチの作品には暗号がこめられている、という話は知っていたが、いろんな作品であったり暗号であったりが次々と出てきて、臨場感たっぷりに描かれていた。こんな暗号の方法があったのか、という面白さ。暗号を考えた(のは著者??)発想は面白いね。頭が柔らかくないと解けないし作れないし。


何か聖杯の話やマグダラのマリアの話が、世界を変えるような影響力を及ぼす、みたいな書かれ方をしていたが、そんなに影響はあるだろうか?っていうのは疑問。
怒られるかもしれないが、そもそも宗教というのは真実はなく、布教者は自分達の都合の良い教えを広め、信者は自分達の都合の良い信じ方をしている、と思っているから、信じたいものを信じる、でいいと思う。そこで真実が暴かれて「違う!」って思う人もいるだろうが、だからといってキリスト教離れするとは思えないし・・・。


今まであまり美術品には興味を持っていなかったが、少なくともダ・ヴィンチは少し見てみたい、とミーハー的な発想で思った。六本木ヒルズでダ・ヴィンチ・コード展が昨日からオープンした、との事。
その他にも、いろんな芸術作品を単に鑑賞するだけでなく、どんなメッセージや歴史的背景で作られたか、っていうものを考えながら見ると、より深みのある見方が出来るかな、と思った。

評価7.0 (サッカー風で言う10点満点 平均点6点)