「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」


金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント 筑摩書房


人々がお金についてどのように考えているか、それを4つの属性(E=従業員、S=自営業 B=ビジネスオーナー、I=投資家)に分けて描いている本。「金持ち父さん 貧乏父さん」の続編で、ラットレースから抜け出し、将来にわたってお金に不自由しないようになるには、BやIのクワドランドにならなければいけない、ということをキャッシュフローを中心に考察した本。


多くの人にとって持ち家が「資産」だ、という話は良く聞くが、果たしてそれは本当なのか、ということを本書は気付かせてくれる。

資産や負債の考え方をキャッシュフローという観点で考えていくと、たしかに持ち家はローンを組むことにより毎月キャッシュが出て行ってしまうし、家に限らずクレジットによる借金などもそうだ。
株式の配当や不動産による家賃収入は毎月お金を生み出す、それこそが資産である、という考え方。お金に困るのは「資産」だと思って、その実「負債」を買ってしまうことに起因するみたい。


B(ビジネスオーナー)やI(投資家)になることで課題が解決する、というが、まあそんなに簡単なものではないだろう。本書では例えば不動産で・・・・という事例がたくさん載っていたが、具体的なようで具体的な話ではないからいまいちわかりにくい。まあこの本はノウハウ本というよりは考え方を指南する本だから、それはそれでよいのかもしれないが。


本書の中では、EとSと、BとIは資産負債の考え方やキャッシュフローの考え方が違う、という同じ事を言い方を変えて、本当に何度も出てきた。あれだけ厚い本にする必要がないんじゃないか、というほど同じ事を言っていた。それだけ大事なのかと思うが。


最近のライブドアショックなどもあり、ファイナンシャルリテラシーは本当につけなければ難しい世の中になる、というのは本当に大切で、今年の大テーマはファイナンシャルリテラシーをつけることかな、という風に改めて思った。


何か不動産投資は非常に簡単で錬金術のような描き方をしているのが腑に落ちなかったが・・・。しかし「金持ち父さん 貧乏父さん」に引き続きお金についていろいろと勉強になる本。ぜひこれは読んだほうが良いと思う。

評価 7.0 (サッカー風で言う10点満点。平均点6点)