「半落ち」 著者 横山 秀夫

半落ち (講談社文庫) 講談社

警察官の同僚が妻を殺した。アルツハイマー病だった妻を殺害した犯人が自主に出てきて、罪を認めたハズだが、まだ何か隠している点がある。それが何か・・。命の重さも題材にしたミステリー小説。

一人の人物をめぐって、逮捕から拘留・裁判・留置に至るまでに関わった人物をそれぞれ語り部として出演させた手法を取る。様々な視点から描かれているのでなかなか面白い。しかしこの小説含め、警察物や新聞記者物に出てくる人物は総じて孤独で敵愾心が強く、他社と充実したコミュニケーションを取らない、という感触はあるが、現実の世界もそんな世界なのだろうか・・・!?

組織の中で求められる行動、故に公正でいられない世界。ただ人の命、というものを大事さ、そのために救えることも出来ることもある、ということを表していて、その点が良かったが、ミステリー小説としてはあんまりわくわくする(謎解きも含む。)展開ではなかったかな、と思う。

評価6.0 (サッカー風で言う10点満点評価 平均点6点)