映画「沈まぬ太陽」、恐るべき権力への執着と働く意味

何のために、誰のために働くのだろうか!?自分はどうありたいのか!?
そういうことを考えさせられた映画「沈まぬ太陽」でした。


今ニュースを騒がしている「JAL」をモデルとして書いた山崎豊子さんの小説「沈まぬ太陽」。これを原作とした映画を見てきました。3時間超の大作ですね。

小説は5冊の大作なので、いかに3時間を超える長編の映画でも表現が難しく、テンポが速いような感じも受けましたが、原作は原作で、映画は映画でともに楽しめる見事な作品に仕上がっていたと思います(^o^)//。





<映画「沈まぬ太陽」:オフィシャルサイト>


渡辺謙が主演の映画。組合闘争を手動的に率いていた組合委員長「恩地一」役をカッコ良く演じていらっしゃいました。


意地や信念を貫き通す恩地の姿と、組合時の仲間の方向転換と出世競争、左遷された組合時の仲間の話、そして御巣鷹山の航空機事故を生々しく表現している映画。

出だしの御巣鷹山の事故現場の映像は見ていて辛く、いきなり涙腺が緩む展開に。人の悲しみのシーンがあれだけ立て続けに来ると、辛くなります。だからこそ感情的に、映画にグッと引き込まれることができました。


描かれていた事柄が現実に近いとするならば、権力闘争というのはいかに恐ろしく、そして人間をゆがめるものかと、恐怖に近い想いが出てくる。

権力を追い求めると際限なくさらに大きな力が見えてきて、途方もない壁を感じるのが見てとれました。さらに得た権力・地位を失わないようにとプレッシャーに日々さいなまれてしまい、家族や友人との関係が悪くなるケース(現実世界でも)も多数見受けられます。


権力を追い求めていなくても、確固たる信念は逆に柔軟性をなくし、家族とかをよくない方向に巻き込んでしまうケースもあるので、恩地(のモデルになった人も)の家族は本当に大変だったのではないだろうか!?


どんなに仕事ができたり、権力をもっていたとしても、家族関係や友人関係がこじれてしまったら、求めていた姿と現実のGAPは途方もないものになってしまう気がする。

何のために働くのか!?本当に大切なのは何なのか?
仕事だけでなく私生活も含めてトータルに、自分はどういう過ごし方をしたいのかを考え、理想像の目標を作って、そこに向かう道筋を考えなければいけないと思いました。


また、どんな情報をだれが持っているのか!?
25年前も今の世界も変わらないと思うが、情報を持っていて、使いこなせる人、そしてそれを知っている人を知っていることは本当に有利だと思う。逆に知らない世界が存在していて、知らないことがリスクになっているケースがどんどん増えてくるでしょう。

人のつながりが本当に重要なのだということも考えさせられた映画でした。