日立グループも再編。これがIT業界の流れか!?

<NikkeiNET:日立、TOB8月20日から 上場5社、完全子会社化を発表>

ついに日立もグループ会社の再編に乗り出しました。独立志向の強い、自主ビジネスを育て上げていた日立ソフトなども吸収するようで、彼らの胸中は複雑でしょうね・・・。


富士通グループも、企業規模に分けて富士通本体とFJBで営業権の住み分けを行い、NECグループもNECとNEXSで済み分けを行います。(逆にいえばこの2社しか営業機能を持たない)。
それに引き続いて日立もそういう流れに乗ったことになります。


まあ、確かにグループ会社同士で同じマーケットに営業を仕掛けていて重複が発生しているのは事実だと思う。ただ、営業権を集約して、多くのグループ会社の社員を食べさせていくことが果たしてできるのだろうか!?


この一連の再編の動きは、それだけIT業界の収益性が厳しいことを物語っています。元々大手企業に対しては親会社が対応して、中堅企業に対してはグループ会社がそれぞれ営業を行っていました。3つのグループともそうだと思うのですが、その自分たちが対象としているマーケットだけでは収益が上がらなくなっているので、お互いの領域に侵犯してしまった結果、重複が発生しているものです。


さらに、中堅クラスの企業では、自前でITを持たず、SaaSクラウドコンピューティングに多大な興味を示しているという話もチラチラ聞こえます。そうなると従来のSIerにとってはビジネスが縮小してきてますます厳しくなってくると予想できます。
ただ、SaaSクラウドが注目を浴びているからといって、すべてがそこに置き換わることは考えにくい。SIerの活躍の余地はまだまだあると思います。


日本市場も成熟化してしまって、ほっておけば伸びる市場ではないため、企業にとってますますマーケティングが重要になってくるハズ。
そのためには、強いユニークな製品/サービスを生み出すために、様々な市場データや顧客の声を分析し、製品/サービス開発につなげないといけません。また、良いものを作ったとして、それをきちんと顧客に伝える必要があり、そのインターフェースとしてWebは欠かせないものだと思っています。

この過程において、今の世の中にある膨大な情報を処理できるだけの高度なシステムは必要だし、メッセージ力のあるサイトが必要になってくる。


そうなると、現状B2B世界では、ITというとどうしても業務効率化がメインになってしまっていますが、これからは業務効率化というよりは、いかに未知の新しい発想を換気させ、企業のマーケティング力を向上させるための仕組みを作ることができるか!?このようなマーケティング力向上系のITと、企業独自のユニークなシステムを作り上げるコンサルティング力がますます重要になってくるかも。

というか、大手SIerにとってはその分野にもっと舵を切っていかないと厳しいことになりそう。