「父親たちの星条旗」 監督 クリント・イーストウッド

akk-DAIfun2006-10-29



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クリント・イーストウッド監督による太平洋戦争時代の硫黄島の戦いを描いた作品。「父親たちの星条旗」はアメリカ側から見た硫黄島の戦いを描いていて、12月公開の「硫黄島からの手紙」は日本側から見た映画。


戦闘シーンを中心に描くのかと思ったら、マスメディアやプロパカンダの影響力のすごさを表している作品。

硫黄島星条旗を立てた兵士6人のうち3人(残りの3人は戦死)が戦争期間中(1945年4月前後)に戦地から呼び戻されて国内で英雄として迎えられる。そして政府関係は戦費調達のために彼らをプロパカンダとして活用する。だが実際にフラッグを最初に立てた兵士ではなく、さらに英雄として祭り上げられている事に違和感を覚え、苦悩している様子を描いている。


「戦争に英雄(ヒーロー)なんていない。」という台詞に感動した。戦争は残虐であるため、それを表に見せないためにもどうしても英雄が必要。でも英雄に祭り上げる人は政府の人であったり大衆であったり、で実際に戦地を体験した人ではない、ということが重要。

実際に星条旗を立てた様子は銅像として残っているようだが、1枚の写真で映画のように国民が熱狂する姿は恐ろしいと思った。マスメディアは間違いなく世論を操作出来る。その強大な力を一部の人の思惑や利権で遣わしてはならない、と改めて思った。


映画としては、戦闘シーンと、英雄として行動する後日談とを交互に見せているためストーリー全体をつかむのがちょっと難しかった。登場人物もしっかり把握できていなかったし・・・。
予告編を見ただけだけど「硫黄島からの手紙」の方が面白そう。渡辺謙がきっと見せてくれるはず。

評価6.0(サッカー風で言う10点満点 平均点6点)