「演劇の方法論で学ぶコミュニケーション」 講師 平田オリザ


<夕学五十講>
https://www.sekigaku.net/


劇作家・演出家である平田氏による、演劇を通して見えてくる互いの言語の価値観の違いを見せると共に、今後コミュニケーション力を向上するためのヒントが演劇を通して見えてくる、という内容。


昨今様々なコミュニケーションの方法論が脚光を浴びている気がする。以前参加したNLPであったり、バースデイサイエンスであったり。今回は演劇という視点から見たコミュニケーション方法でまた新しい発想が出てきた。

平田さんによる講義も例え話であったり笑い話だったり、とユーモアに富んだ話し方で、またまた面白かった。最近の夕学は個人的にはヒット続き。


今回のキーワードは「コンテクスト」だと思う。1人1人の言語の個性を「コンテクスト」と定義している。同じ言葉でもその人がどんな意味を持たせて使っているのか、ということ。
コミュニケーションにおいても言葉の字面だけでは当然伝わらなく、行間であったり、その言葉の背景だったり意味だったりを理解する必要がある。
例えとして平田さんが取り上げていた内容:
・子供が親に「今日宿題して行かなかったけど、田中先生は起こらなかったよ。」といわれた。
 ⇒これに対して親はどのような反応をすればよいのか?(子供はどういう意味を表現したいがためにこの会話を行っているのか?)
宿題をしないことを叱ったり、何でそうなの?みたいな感じで聞いたら、子供が、自分が表現したい意味がわかってくれない、ということでコミュニケーションが進んでいかない。反復して共感を示したり、田中先生が好きなのね、という意味を理解してあげれば話が進んでいく。

つまり簡単な言葉でもいろいろな理解の仕方がある。その理解の仕方・意味合いの違いを理解したり、わかってあげる、という発想が必要になってくる、との事。


「確かに何でこんな簡単な事が伝わらないのだろう?」とか、「何で分かってくれないんだろう?」って思うことはたくさんあると思うけど、コンテクストの違いも1つの原因なのか、と感じた。特に簡単な言葉ほどその人が持っている価値観の違いで理解が違ってしまったりする。それをコンテクストだったり自分の理解を押し付けてしまうと、良好なコミュニケーションは築けない。


そういった意味合いの違いを解消するひとつの方法が演劇であるそうだ。演出家や出演する俳優はそれぞれ固有の言語の価値観を持っている。なので例え台詞通りに俳優が読んでも演出家の意図しているところが伝わっていないようならNGを出す。そのような違いを乗り越えて作品を演出していかなければいけないし、それを短時間で構築しなければいけない。そこには当然コミュニケーションが重要になってくるし、鍛錬される場にもなる、と言っていた。


自分は演劇やったことないから(幼稚園の時にやったことはあるけど。)こういった発想もなかった。演劇をやっている人はドラマなどの見方もやっていない人とはかなり違う視点で、奥深く見ることが出来るそうだ。演劇って大変そうだけど面白そうだ、と思ったね。
あとコンテクストの違い、というのも、もちろん無意識である程度はやっていると思うが知っているのと知らないのでは雲泥の違いがあると思うので、少しは意識をして他者とのコミュニケーションを取って行きたい。


ブログランキング

確かに日本で演劇って影が薄い気がする。  ←ぜひクリックお願い致します。