「リード・ザ・セルフ 〜MBA幻想を超えて〜」 講師 野田智義


<夕学五十講>

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NPO法人ISL代表理事の野田さんによるリーダーシップ論。通常皆が思っているリーダー像とは違うリーダーであったりリーダーシップであったり、ということを解説した内容。


リーダーであったり、リーダーシップであったり、というとどういうイメージがあるだろうか?強烈な個性であったり、圧倒的なエネルギーを持っていたり、人を魅了する話術だったり、ということが備えている「スゴイ」人がリーダーである、という印象があった。
映像でも見せてくれたが、「I Have a Dream」の講演で有名なマーティン・ルーサー・キングであったり、日産のカルロス・ゴーんであったり、というイメージ。しかし、だからこそそんな「スゴイ」人間にはなれない、ということで興味を失われる要因となっている、との事。


野田さんが考えているリーダーシップとは、まさに自分自身のことである。それが「リード・ザ・セルフ」なのであるが、「人をリードするのではなく自分をリードする」事であるとのこと。
リーダーの役割としては変革と創造というものがあるが、変革も創造も共通点があって、物事に取り組む前は非常識だ、とか不可能だ、とかあり得ない、という批判や心配が付きまとうが、変革した後に後から見てみると「何でそんな当たり前の事が分からなかったんだろう」というような問題らしい。例えば社会主義経済は、経済学観点から見ると非常に非効率で、破綻することは目に見えているらしいが、それも破綻したからこそ多くの人に「見えた」のである。
なので、他の人に「見えない」ものを「見る」あるいは「見える」人がリーダーである。そういうことを考えると、必ずしも上の立場にたつからリーダーというのが必要ではなくて、自分自身を研鑽し、見えないものを見る、という強い信念を持って行動することが条件となってくる。


自分との対峙であったり、見えないものを見よう、とするのは日本人の苦手としている分野らしい。それでもあくまで「自分」の考えの持ちようでリーダーシップというものが磨かれるし、世間でも散々リーダーシップが必要だ、という風潮もあるから頑張っていくしかない。


自分と対峙するためのコツとしては、常に1人称を意識した話し方をすると良いらしい。それによってしっかりと自分の意見を常に考えることが必要となってくるかららしい。


それにしても講師の野田さん自身もリーダーとは何ぞや?自分はどういう立場なのか?ということに散々悩んでいる、という様子が伺えた。まあ解答のない、禅問答みたいな問題ではあるんだろうな。