SaaS企業の代名詞であるSalesforce.comも10周年

<CNET JAPAN:10周年のセールスフォースに10の質問--CEOが語る過去と未来>


今や「クラウドコンピューティング」「SaaS」の代表的なサービスである「Salesforce.com」。こちらが創業から10年を迎えたようです。10年で売上高10億ドルの大企業に育ったという、スゴイ企業です。しかもここ数年にわたっての成長やメディアの露出度はかなりのものがあると思います。


5年ほど前に、記事で書かれているいわゆる「ソフトウェア」を担いでSalesforceと競合した提案をしたことがあるのですが、あえなく敗退してしまった記憶があります。当時はまだASPと呼ばれていて、運用費用が高くなるので、ソフトウェアの方にコストメリットがあったような気もしますが、全体コストだけでなく、パイロットユーザーによる試行などを考えると、確かにSaaSの方が強みがある気がしました。


今は5年前と逆で、営業の仕組みを考える上で、CRMSFAの導入推進を検討していますが、一気にソフトウェアを構築するのは非常にリスクが高い。現在のSFAもそれで大失敗しているので、小さく始められて大きく育てられるSaaSサービスは強いと、検討している側になると強く思いました。


あと、記事でわかりやすかったのが最初の質問で、AmazonGoogle、eBayなどのサイトで、いわゆる「バージョン」を気にしたこともないし、ソフトウェア説明書なども気にしたことなく、常に最新の機能を使えて便利だということです。

IT企業では、サポート切れによるバージョンアップ案件は非常に多いのですが、裏を返せばそれだけ多くの顧客企業がバージョン管理に苦労されているわけで、そういう煩わしさをなくしたりする利便性があります。


ただ、SaaSの欠点として、自社の業務にどれだけ合わせることができるか?その辺の柔軟性はソフトウェアに比べれば弱いと思います。結局自社仕様にがりがりカスタマイズしてしまったら、クラウド側のソフトウェアに変更が生じた際にきちんと反映されるか!?正直厳しいのではないでしょうか。


SalesforceのCEOが、ソフトウェアを構築している全ての企業が競合であり、シェアを奪える、ということをおっしゃっていますが、果たして「独特」の要件のもとに構築されているソフトウェアを駆逐できるのか、というとさすがにそれは難しい気がしています。
業務によって、SaaS型とソフトウェア型とを分けて導入していく形態が増えていくのではないでしょうか!?


お客様がどこまで求めるか?ということのヒアリング力・ニーズ/ウォンツ把握力をますます磨いていかないといけないですね。ただそうなるとSaaSを提供できる選択肢もないといけなくて、それを自分たちで開発していくのか、強い企業とパートナーシップを結んで積極的に提案活動ができるようにするなどができないと、今後結構苦労してしまう感触があります・・・。